シーズンオフなので船外機のメンテナンスをおこないました。ほとんど自分の作業の備忘録です。私のボートの船外機は、トーハツのMFS6A2S 4ストローク6馬力。2003年11月製で2004年4月から使用しています。気が付けばもう13年も使っているのですね。毎年、エンジンオイルとギアオイルは交換してきました。大きな故障は2011年にインペラ故障でオーバーヒートして、金沢区福浦のショップに持ち込んだくらい。それから5年以上。そろそろショップに持ち込んでオーバーホールすることを考えましたが、何事も経験と、トライしてみることにしました。
(1)作業の計画
・エンジンオイル→交換しない(まだ交換したばかり)
・キャブレタ清掃(一度も掃除したことがない)
・インペラ交換(2011年11月に交換している。できればギアケースも点検)
・ギアオイル交換(そろそろ交換時期)
・スターターロープ交換(まだ持ちそうだが、念のため)
・プラグ交換(錆が出てきたため)
・グリスアップ
(2)部品の購入
トーハツから紹介された近所の部品を扱う店は「葉山ヨットサービス」さんなのだが、愛知県のボート用品の通販王 ネオネットマリンWEB本店さんを利用した。メーカーのパーツリストのpdfを送ってくれるサービスがあり、それを見ながらWebサイトから部品番号を入力すると、データベースから品名と価格が検索されて注文ができる仕組みになっている。送料は760円だが、小物はメール便200円でも送ってくれるようだ。トーハツのパーツリストは販売されているが、ネットに転がっているのを発見、利用されてもらった。購入した部品は以下。
3H6-02011-0 ガスケット キャブレター 151
338-05131-0 Rope Anchor 151
3B2-05013-0 Starter Rope 680
951503-0318 スプリットピン 3-18 54
369-64332-0 Stopper Drive Shaft Bushing 227
369-87322-1 ウォーターポンプリペアキット 2,786
332-60005-2 Oil Plug Water Plug 281
332-60006-0 ギヤオイルパッキンガスケット 8.1-15-1 76
純正ギアオイル、耐水グリースも注文。
メーカー取り寄せの純正部品があるにもかかわらず、翌日出荷されたので驚き。どんな流通網なのだろう。
(3)作業
・キャブレター清掃
キャブレターASSYを取り外す。
内部は少し汚れていて、フロートチャンバーに茶色いベトベトしたものもあり、フロートの戻りも悪い。パーツクリーナーとエアで掃除する。フロートチャンバーのガスケット(図の1-9)を買い忘れたので、今回は清掃のみで組み戻す。
・インペラ交換
プロペラを外して、ギアオイルを抜く。受け皿にしたペットボトルに水分が残っていたので少し泡立っているように見えるが、海水の混入はないようだ。
次にロワユニットを外す。船外機は、エンジン本体が入っているヘッド部分と、プロペアやギアが入っているロワ部分にわかれていて、ヘッドとロワは、エンジンの回転を伝えるドライブシャフトと、ギアチェンジするためのカムロッドという2本の棒と、ロワのポンプで汲み上げた冷却水をヘッドに送るためのウオーターパイプでつながっている。カムロッドはヘッド側のシフトロッドと金具で接続されているが、ドライブシャフトとウオーターパイプは差しこんであるだけ。
実は予行演習として先週ロアユニットを外してみたのだが、中から破損した部品が出てきた。下図の12 369-64332-0のようなので、注文しておいた。
下の写真はロアからヘッド側を覗き込んだところ。塩が結構こびりついていて、使用後の水洗いの大切さを痛感。
上の写真の左はウオーターパイプ 奥の方に見える丸穴がドライブシャフトが差し込まれるヘッド側の部分。右の金具はヘッドから降りてくるシフトロッドとロア側のロッドを接続する金具で下図の11。右上の明るい穴は、いつもはゴムのグロメットで塞いであるメンテナンス用の穴。プラス頭のネジは、上述の破損した部品を固定するもの。
さてウオーターポンプのボルト4本を外す。
ポンプケースを外すと、インペラが顔を出す。破損はないようだ。
ガスケットとガイドプレートを外す。
ポンプケースロワの上面にガスケットが固着していたので、スクレーパーとやすりで磨いて清掃。ドライブシャフトも磨く。
このポンプケースロワのガスケットも交換したいが、簡単そうではなく今回は見送り。
インペラのリペアキットの内容。右上のガスケットと左下の丸いライナは今回は使わず。
新旧のインペラ。新しいインペラを、キーを差し込んた上でドライブシャフトに通す。ライナに薄くグリスを塗ってインペラの羽根のあたりを良くする。ドライブシャフトは上から見て時計回りに回ることを考慮して、インペラの羽を少し折り曲げてポンプケースに納める。ポンプケース4隅のボルトを締めて終了。そのあと新しいギアオイルを注入し、オイルプラグとパッキンを新品に交換。
さて、ロワユニットを戻すにあたり、破損してロワユニット上に脱落していた部品を取り付ける。
取り付けてみたものの、これで正しいのかな。いよいよロワユニットを戻すが、取り付けた金具が邪魔でうまくいかない。トランサムがLサイズの船外機には必須と思うが、この船外機はSサイズ。あまり意味がないと考え、外してしまった。
さてロワユニットの取り付けは、ドライブシャフトをヘッド側の穴に差し込んだあと、ほぼ同時にカムロッドとシフトロッドを接続する金具に通して、カムロッドの先端が穴から顔を出すようにして、それと同時にウオーターパイプをウオーターポンプの穴に差し込む。これが非常に難しい。ドライブシャフトはヘッド側に差し込んでも差し込み切れていない気がする。ヘッド側のギアがかみ合うように、スターターロープを小刻みに引くとかみ合った。カムロッドの先端はある程度位置を決めてあげてロワユニットをゆすりながら探ると顔を出してから、ぎりぎり顔を出す位置で、ウオーターパイプをポンプに差し込む・・・コツがあるのだろうが、これには苦労した。
ここでいったん試運転。エンジン起動直後、十秒くらい検水口から水がでなくて焦ったが、その後出てきた。冷却水路の掃除のためにエアを通していたので時間がかかったのだろう。
次は、プラグの交換。
次は、リコイルスターターのロープの交換。これがまた一苦労。ロープが巻いてあるリールを取り外すとスターターのスプリングがほどけて、本来の姿がわからなくなった。
上の写真では、リールを反時計回りに回すとゼンマイが巻かれる方向である。冷静になって考えて、下記の手順でやってみた。
・リコイルスターターはロープを引くとゼンマイが巻かれ、引くのをやめるとゼンマイの力でロープが巻き取られる。
・古いロープを外して、新しいロープをあらかじめ反時計回りにリールを巻く。ロープを巻いた状態で、リールを反時計回りに回して程よくゼンマイを巻く。ロープが引かれてゼンマイが巻かれる分まで巻いてはいけない。
・ロープのハンドルを取り付ける。
・この状態にしてからロープを引くと、リールは反時計回りに回転して、ゼンマイが巻かれる。手を放すと、ロープがスルスルとリールに巻かれる。
これでリコイルスターターを取り付けてスタートをして動作確認。
ここまでで、いったん作業終了。キャブレターのガスケット交換と、グリスアップは後日おこなうことにする。