船ドック入り

 愛艇のエボシ315は、ドーリー(移動用の車輪)をつけた状態で、ビニールシートをかけて保管しているが、11月9日の集中豪雨(気象庁辻堂アメダスで一日の雨量107mm)のときに突然庭から大きな音。何事かと様子を見に行くと、船が傾いている。なんと船内には水深20cmになるくらい大量の水が溜まっていて、水船状態となり、荷重に耐えかねたバウドーリーの付け根のボルトが船体のFRPごとすっぽりと抜けてしまった。これはまずいことになったと、ずぶ濡れになりながら排水して応急処置。

 雨が上がった後、状況を再確認し、ボートビルダーの辻堂加工さんに連絡。いつものように社長が電話に出てくれて、不安になりながら事情を話すと、まあ見てみないとわからないが、直せるよ、とのこと。ただし今月は忙しいので12月になったら持ってきてくれとのご指示。しばらく釣りはお預けで12月を待つことにしていた。

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そしていよいよ12月5日(日)午前中に搬入のお許しが出た。朝8時に逗子でレンタカーの軽トラを借りて、自宅で積み込み。軽トラの運転席後方の鳥居に立てかけて斜めに積んで、荷台からはみ出ないようにしたかったが、うまく乗らないので、裏返しにして載せる。荷台の幅はちょうど良いが、長さは2m。船は3m。道路交通法では車長の1/10まではみ出て良いことになっているので、はみ出してよいのは30cm強。したがって・・ノーコメント・・。

  軽トラは大胆にも国道134号を爆走し、辻堂へ。辻堂駅の北口エリアは再開発が進み、大きく変貌した。かつてここにはカントク、関東特殊製鋼という圧延ローラーのトップメーカーの巨大な工場があった。(学生時代に鉄鋼関係の工場見学で来たことがある)

https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kensetu/machizukuri/toshi/shonancx/tsujido/documents/000040498.pdf

辻堂加工さんは、再開発エリアから外れたところの昔からの住宅街にある。社長が一人、工場で、新艇の製作をされていた。

早速、船を診てもらうと、あーあーという苦笑い反応だったが、こりゃだめだという反応ではなく、ここ厚めに埋めて、補強して、艶出しして、、と工程をお話してくれた。こんな状態だからもうだめかと思ったと言うと、直してまだまだ乗れますよ、素材や塗料いいもの使っているからね、と力強いお言葉。お見積りも、まあ税込¥〇くらいかな、と予算の範囲内。修理期間は1ヶ月くらいらしい。意外だったのは、2004年進水で17年経過している割には、船体に艶があってきれいだね、あまり乗っていないの?と感心されたこと。どれくらいが「あまり乗っていない」のかわからないが、おそらく保管時はいつもビニールシートがかかっているので、紫外線の影響をあまり受けていないのかもしれない。

2004年4月に新艇を購入しに来た時には、工場のすぐ近くにショールーム兼ショップがあったが、今は写真スタジオになっていた。社長におそるおそる事情を聞いてみると、以前、流行したRVや軽バンの屋根に載せて運搬できるサイズのカートップボートは、最近、車の構造が変わってしまい、屋根にキャリアで載せることが難しくなり、市場環境が厳しくなってしまったとのこと。エボシシリーズもカートップできない大型の340、375にラインナップを絞っている。辻堂加工さんに並んで、可搬型ボート業界では有名な湘南高圧タンク工業さんは廃業の話もあり、この世界も厳しいようだ。

社長にごあいさつして工場を後にする。軽トラはトヨタレンタカーの辻堂店で乗り捨て。県内だと乗り捨て料金はかからない。JR辻堂駅から、買い物のため家族と待ち合わせている大船に向かった。