リゾートでブレックファスト

今月になってから突如現れた、KKR逗子松汀園(しょうていえん)の「お宿の朝ごはんはじめました」の看板。前日20時までの予約で朝7時30分か8時ちょうどから、朝食をいだけけるらしい。お値段は800円。果たしてどんなものなのか、在宅勤務の日の前日に予約して訪れてみた。

松汀園は、各省庁の20の共済組合の連合会である、国家公務員共済組合連合会(KKR)が運営する宿泊施設(保養所)である。いわゆる公共の宿として、国家公務員だけでなく一般の利用も可能。宿泊施設が比較的少ないこのエリアでは稀有な存在で、鎌倉や三浦半島の観光客の利用も多い。施設は関東大震災の3か月前の大正12年6月に建築された別荘がベースとなっている。

KKR逗子松汀園(逗子保養所) | 施設一覧 | KKR-国家公務員共済組合連合会

◎公式&最安値◎ KKR逗子松汀園★湘南逗子の隠れ宿 海まで3分 | ・・・公式サイト・・・ 逗子に泊まるならKKR逗子松汀園 海まで3分!

周囲は、昔は保養地として別荘が多かったのだろうが、現在は住宅街の中にある。当然、海は望めない。快適かどうかはその人の価値観に大きく左右されそうだ。

それでも貴重な逗子の宿泊施設、かねてから入館したみたかった夢が叶うときが来た。

朝食は8時からで予約。7時50分、時間に余裕を見て自宅を出発。これからリゾートに向かうのだ、そう言い聞かせて歩くいつもの道は、逗子小学校に向かう小学生が歩くいつもの風景。3分で到着。日本庭園の石畳のアプロ―チを歩いてエントランスへ。下駄箱には名前が書かれた紙製の「歓迎 ●●ご一行様の看板。宿の細かい心遣いに気分が盛り上がる。フロントで受付。非接触型の体温計で発熱のないことを確認して、宿帳に記入。自分の住所とお宿の住所がなんか似ている。(住所氏名の記載はコロナ感染者発生時の濃厚接触追跡が目的のようだった)仲居さんがご案内してくれたお食事処は、美しい芝生の庭に面してテーブルがしつらえられ、2人並んで座る形で朝食の用意がされていた。お客様は他に2人。バッハかな、クラシック音楽が静かに流れている。
f:id:t1000zawa:20200729090504j:image

 この日のメニューは、湯豆腐、ワカメと水菜のサラダ、おひたし、銀ダラのような上品な白身の焼き魚、しらすおろし、納豆、温泉卵、お漬物、ツナ、味付け海苔といったおかずと、ごはん、お味噌汁、デザートの自家製ヨーグルト、お飲み物(コーヒー、紅茶、野菜ジュースなど)はセルフサービス。お値段からして、せいぜい吉野家松屋の納豆定食のようなものかと思っていたが、本当に「お宿の朝食」そのもの。天下の国家公務員共済組合のお宿には失礼な想像をしてしまった。

 丁寧に手入れされた芝生の上にかわるがわる下りてくる鳥達(近所のスズメ、セキレイ、カラス)を愛でながら、ゆっくりといただく朝食は、美味しかった。

 例年であれば、すでに夏休みシーズンで海水浴客や観光客で賑わっていたはずだが、今年は海水浴場の開設も無く、お客様は少ないという。そうした中で始めた朝食サービスなのかもしれず、陰ながら応援したい。