天体望遠鏡レストア 10cm反射赤道儀②

さて、時間があいてしまいましたが、2014年4月に購入した10cm反射望遠鏡のレストア記録を書きます。2014年4月の作業です。

 まず、ジャンク望遠鏡の素性ですが、MIZAR(当時は日野金属産業)で、型名は値札の通りSP-100SL 、つまり100SLという口径10cm、焦点距離600mmつまりF6のニュートン式反射望遠用と、SP赤道儀、アルミ三脚の3点セットのシステムで、付属品はアイピースがK9(67倍)と K25(24倍)、極軸望遠鏡、サングラスです。また、GT-68という口径68mmの屈折望遠鏡と、その取り付け金具もついていました。

 ネットでダウンロードした1988年のMIZARのカタログによると、確かにSP-100SLがラインナップされていますが、アイピースの構成と鏡筒バンドの形状が異なるのと、価格自体も異なるので、一世代前、つまり1980年代前半から半ばあたりに製造されたセットのようです。かれこれ30年以上経過している訳ですが、持ち主はフルシステムとして購入したもののほとんど使わなかったか、もしかするとお店の展示用にシステムアップした展示品がそのまま倉庫に眠っていたとか、ともかくひたすら放置されていたものと思われます。

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ジャンクは、とにもかくにも、まず外観を軽く清掃して、機構に問題ないかチェックした後、いったん部品単位にバラバラにして清掃します。赤道儀は機械モノなので洗浄してグリスアップ、望遠鏡本体は、反射鏡の状態をまずチェックします。

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主鏡、斜鏡ともアルミナイズメッキ鏡です。汚れ(カビ?)が目立ちます。主鏡セル、斜鏡セルから鏡をはずして、まず水洗いです。洗う際には台所用洗剤を一滴たらして、指でなでるように洗います。さすがに縁の部分に少し曇りがあるようですが実用上は問題なさそうです。光軸調整用に主鏡の中心点にセンターマーク(シール)をつけました。

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鏡筒も、すべての部品を取り外して洗浄。錆びてはいないものの黄ばみがあります。また傷も少々ありますが仕方ないですね。

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鏡筒を組み立てて光軸を調整。そして組み上げて完成。見違えるように生き返りました。

つづく

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